健康上とくに問題のないこどもでも、思春期は身体的にも精神的にも不安定になるものです。まして長い間にわたって闘病生活を強いられるこどもは、さらに大きな精神的・肉体的負担を負っており、それだけに現在の治療や生活指導に不満をもち、将来にたいする悩みや不安も大きいと思います。
したがって家族は、こうしたことを十分考慮して、腎臓病患児が積極的に自らの人生にたちむかい、強い意思を持って闘病できるように、力を貸してあげて欲しいと思います。そのためには、「あれはいけない」「これはいけない」と禁止するだけでなく、やっていいことはできる限りやらせ、そこで自らの特性を見い出だせるような指導を、お願いしたいと思います。
しかし、親兄弟ともなれば、将来にたいする心配の気持ちはわかります。けれども、こどもの前ではその気持ちを表面に出さず、平静に普通に接してあげてください。「ふびんだ」「かわいそうだ」と思うあまりに、わがままを許してはいないでしょうか。
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