医師とのコミュニケーションを緊密に
 
医師を信頼すること

 腎疾患のような長期にわたる疾患にかかった場合、その主治医との信頼関係は最も大切です。

判らないこと、心配なことは遠慮せずに聞きましょう
 長期経過観察と生活指導および治療が必要なので、患児、家族、医師のコミュニケーションを親密に保ちましょう。
思春期のこどもの特徴を理解すること

 健康上とくに問題のないこどもでも、思春期は身体的にも精神的にも不安定になるものです。まして長い間にわたって闘病生活を強いられるこどもは、さらに大きな精神的・肉体的負担を負っており、それだけに現在の治療や生活指導に不満をもち、将来にたいする悩みや不安も大きいと思います。

 したがって家族は、こうしたことを十分考慮して、腎臓病患児が積極的に自らの人生にたちむかい、強い意思を持って闘病できるように、力を貸してあげて欲しいと思います。そのためには、「あれはいけない」「これはいけない」と禁止するだけでなく、やっていいことはできる限りやらせ、そこで自らの特性を見い出だせるような指導を、お願いしたいと思います。

 しかし、親兄弟ともなれば、将来にたいする心配の気持ちはわかります。けれども、こどもの前ではその気持ちを表面に出さず、平静に普通に接してあげてください。「ふびんだ」「かわいそうだ」と思うあまりに、わがままを許してはいないでしょうか。

学校とのコミュニケーションを緊密に
 学校の先生は病気の専門家ではないので先生に子どもの状態を分かりやすく、どうして欲しいかを具体的に伝えましょう。
学校という組織を理解すること
 学校も一つの組織のためいろいろな制約がありますが、そういったことをふまえつつ、積極的に先生や他の父兄に病気のこと、親の心配や不安を説明し、分かってもらうようにすることも大切です。
先生との人間関係を大切に

◆学年・担任が変わった時
 主治医からの腎臓病管理指導表や子どもの様子、主治医からの指示、学校で配慮して欲しいことなど詳しく話しましょう。

◆病弱養護学校
 慢性腎不全や、ステロイドに反応しないネフローゼ症候群のように、長く入院したり、くりかえし入院したりして、十分に教育受けられないこども達のために、全国で病弱養護学校があります。
 たいていは総合病院に隣接して学校があり、その病院に入院している小児慢性疾患(喘息・心臓病・腎臓病など)の子が対象となっている学校です。
 入院中も医師の許可があれば、病状によって病室、病棟まで先生がでかけて、勉強を教えてくださいますし、あるいは病室から隣接の学校に通ったりすることができます。
 先生方の病気にたいする理解もあり、まわりの子もみな慢性疾患の子たちですので、気楽に勉強ができます。もし、お子さんの欠席が長引くようなら、主治医に相談して、利用されるとよいでしょう。

コミュニケーションの媒体としての腎臓手帳の活用

 この腎臓手帳には長期間の経過観察において得られた検査成績を記録し、その所見に応じて決められた管理指導区分も記入できるようになっています。
 さらに、学校と家庭と校医や主治医や専門医との連絡を密にするために、連絡事項が記載できるような欄が設けられています。
 こどもの腎臓病は種類が多く、その経過についても多様なので、この手帳には、家族や学校が、こどもの病気を正しく理解できるように、簡単な解説も書かれています。
 そして、腎臓病の診断のために行われる検査の解説や、その用語の説明も書かれており、腎臓手帳(わたしの腎臓)は患者の経過観察に有用なばかりでなく、家族と医師・教師との間のコミュニケーションの媒体として使えるように編集されています。
 したがって、本手帳が慢性の腎臓病のこどもの家族の方々に、大いに活用されることを期待しております。


 

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